古い木の道具が壊れたり要らんようになったりで、それを薪にしてうちにくれる近所の人がおります。
引越しの時に挨拶に行き、煙突のことを聞かれて薪ストーブのこと言うと、そういうことなら要らん木材あげるよとなった。
木ゴミは他からも調達できるんじゃけど、せっかくじゃけえその好意を受けることにした。
そんで、御礼いうことで紫イモを段ボール箱に入れて持ってった。
すると、えええっ、こ、これは、とか言うてビックリ。
いやいや、薪の御礼じゃけえ皆さんで食べて下さいって言うたんよ。
こんなんとれたんですか、あっら〜これはまたとか。
そんで、土地を借りられるようになって今年はさらに大量にできまっせって言うと、そんならうちの土地どうしようかとか思うとったとかいう話。
引越しの時の挨拶回りの時も、土地が借りられたらいうことは言うたんじゃけど、それは主人に相談せんとねで濁された。
しかし今回は進物を持って行き、現物として形になっとるのを見て目の輝きが変わった。
うちの土地、トラクターですきよるんやけど、何も作っとらんのよ。
こんなんとれるんやったら、う〜ん、ねぇ。
そやな〜、こんなんなぁ。
老夫婦の会話は、かなり前向きになった。
紫イモは、味としては普通のイモの方が美味い。
しかし、栄養素で言うとアントシアニンがあり、機能性食品になる。
普通に売ると普通のサツマイモの価格じゃけえ安いんじゃけど、さりとて流通量が少ないけえ、もらう方は普通のよりありがたい。
うちとしては、カイアポの副産物としてできるんじゃけど、自分で食うにはマロンゴールドや安納芋の方がええわ。
やっぱりね、サツマイモのあのボリューム感は進物としてはええね。
しかも、他ではあんまり手に入りにくいもんとかじゃと、ありがたみも増すんよ。
そういうことで、進物としての紫イモ栽培もバカにはならんのよ。
労力とか灰の問題もあるんで何とも言えんのじゃけど、借りられるとして手が回るかどうか。
他にも農区長さんのとこと、もう一軒行こうと思うとる。
やはり、目に見える現物は強い。
今回行ったとこも、薪は他でももらえるとか言うて断った場合には話がそれっきりになるんよ。
しかし薪をもろうてありがたいことを言い、御礼を持ってくことで次につながるって思うたわけなんよ。
あちらからすれば厄介もんの木ゴミであり、そのまま捨てたってもええもんが、ありがたいと思われて御礼までもらえるとなれば、それもそれで嬉しいじゃろう。
そういう心理って結構あるはあるんよね。
じゃけえ、人の好意はなるべく尊重してあげて相応に遇することで、お互いの絆は深まるんよ。
売りもんにするカイアポとは別に、余剰のイモを進物用として持っとくいうのはええ策よね。
もらう方も悪い気せんし、みんな丸く収まる。
紫イモは、新たな絆を築くのにはええラッキーアイテムじゃ。