職場を去るにあたり、定期券があるうちに用事を済ませとこういう話。
平家時代のあれやこれやを巡ることもさることながら、ちょっとすごいと思うたお山があるんで登ってみた。
それが高取山で、昼休みとかに途中まで登って引き返したりしとった。
いやいや、お宮や石碑の数がハンパない。
登山口がいくつかあり、そのうち2つは昼休みで制覇できたんじゃけど、さすがに山頂にある神社とその向こうにある荒熊神社は無理。
平家の史跡を巡るついでに、意を決して登ってキタ。
目的は、当然九字打ちヒャッハー。
来た登山道とは別の裏ルートで降りようとしたところ、途中で道が消えとった。
へっ?ないの?
それとも迷うた?
そこで、ま、ええかとにかく降りよっかと思うて道なき道を降りてった。
今思えば、来た道を登って降りるべきじゃった。
道の整備されとらんとこを降りるのを、甘く見るべきじゃなかった。
生えとる木に掴まりながら降りていくと、唖然とする光景に出会した。
10メートルはある断崖絶壁、こんなとこ落ちたらソッコーで死ぬ。
うわた〜、やってもたった。
これまで降りて来たとこ引き返すにもおそらく無理、断崖絶壁を降りるのも無理。
あれで、夜じゃなくてほんまよかった。
同じ高さのとこをとにかく横へ移動して、降りられそうなとこを探す。
岩の崩れやすいとこばかりながら、崩れんとこもある。
足で踏みしめながら、足場を確保してとにかく横へ移動。
木も枯れ木にしがみつくと折れるんで生木を掴み、あとは岩から覗く木の根っこ。
この断崖絶壁で木の根っこが長くはみ出しとるとこは、かなりありがたいのう。
木の根っこも半分しか出とらんけえ、手のひらでグッと掴むことはできんのよ。
親指と他の指ではさむいうかつまむ感じで、足場を確保して降りた。
なるほど、断崖絶壁の降り方のええ勉強になったわ。
ピッケルも何もない状態でのロッククライミング、年末に何やっとんじゃろか?
ほんまアホじゃったのう。
滑落の恐怖とか、一般の人ならガクブルもんなんじゃろうけど、昔から木登りが得意じゃったけえ、冷静に対処できた。
木登りに関しては、普通の人が登れないようなとこを登ることができたんよね。
なんで登れるの?って聞かれて、ここにコブがあってそれに足をかけてって説明するんじゃけど、いやいやそこに足をかけれんて言われた。
あの断崖絶壁も、一般人ならまず降りられんレベルなんじゃろう。
まあ動物のウンコも見つけたんで、私の足場探しのセンスと木の根っこ掴みで何とか降りられると判断。
それにしても大苦戦、登るのに1時間ぐらいじゃったのが、降りるのに3時間ぐらいかかった。
しかし降りることができて、ほんまよかった。
道路まで出た時に、宇宙戦艦ヤマトがワープアウトしたような感じがした。
しばらくどこに出たかわからず、山の位置から目指す史跡の位置を考えて進んだ。
なんとか目的地までたどり着けたとさ。
しかし、帰り道で電車の人身事故。
どんだけ邪魔が入るんじゃ?
それにしても高取山のお宮や石碑、今日だけで100ぐらいあったんじゃないんかねぇ。
さすがにヘロヘロになった。