大学時代は、弟を助手にして映像研究をしとった。
ビデオカメラで撮影したもんを編集して、それをどうのこうの。
当時は、先輩がレンタルビデオで借りてきた昔懐かしの特撮ヒーローを見せてもろうたり、また私自身も借りてきたりしとった。
幼い頃に心に残っとったのは、キカイダー01。
それは、キカイダーにはダーがつくのがハカイダーしかおらんかったのが、01にはハカイダー自体が4人も出てきて、他にもガッタイダーとかビジンダーとかワルダーとかがおった。
そのキャラクターの豊富さに、子供心が刺激された。
しかし、大学の時に先輩がしみじみとキカイダーを見ており、脇で見とってストーリーは覚えてはおったにせよ、改めて見てみるとかなりシブい。
しかし、01になるとキャラクターが多くなるだけで、ハカイダー自体の性格が卑怯になり、ストーリー自体はキカイダーには及ばんのが改めてわかった。
大学生の視点からは、やはりあのキカイダーの中のハカイダー三郎とキカイダー次郎のせめぎ合いの方が断然よかった。
まあそんなのを見ながら、それの真似をしたような撮影をした。
小学校の屋上によじ登り、そこから身振りをしながらしゃべり、そこから飛び降りて地面に着地するシーンを編集で作ってみた。
ハカイダーが、高いとこからそんな感じで飛び降りるのの真似。
ハカイダーは着ぐるみを着とるけえ、しゃべっとるかわからん。
わからんけえ、身振りでそれらしく表現する。
近くでしゃべる時には、ビミョーに上下に頭を揺らし、いかにもしゃべっとるいうことを表現する。
まあそういう映像の作り方を、特撮の作品を参考にしながら研究しとった。
ただそうしたことも、そっち方面で仕事するわけでもないけえ、さらに専門的な技法をどうのこうのとかはなかった。
しかし、映像の断片をこう組み合わせて流れを作るいうことはわかったし、それがいまのYouTubeの動画編集に活かせとる。
もともと芸術家民族でもないし、上げようとすればクオリティが上がるのはわかる。
例えばそれで売り物を作れるレベルなのがセシウムカルトのn崎であり、あっちは相応の機材やら何やらもある。
私の場合にはスマホ一つでやりよる中で、YouTubeでのそこそこのクオリティが出せればよく、芸術的に優れたもんを作っとる意識はない。
撮影に使うビデオテープとかの選定とか、なるべくダビングの回数が少なくてええようにを考えてやっとった大学時代。
しかし今は、テープの山に埋もれることもなく、スマホ片手にネットの中にデータを残していける時代になった。
かつてやっとったことは、その後使わずとも確実に血肉となって眠っとった。