現役で留年せずに卒業、そのことによる恩恵は大きかったと言える。
浪人せずにその経験値は得られなかったものの、さりとてそれは絶賛シミュレーション中。
年代の違う浪人経験者の話を集めることで、やがて一人分の浪人経験値以上のものは集められる。
同年代や歳上の人たちの浪人経験談は、かなり聞いた。
ここにきて歳下の前やんの話が出てきて、これまでのものとオーバーラップする部分はあるものの、さりとて始めて耳にするようなこともあり、それは新たな学びになった。
学生時代に浪人した人たちから聞いた貴重な話は、人生の糧としてありがたいもんがある。
あの人たちも、それぞれに教訓をもたらしてくれた。
彼らは彼らでお金を使いながら苦労して、それなりの人生の節を作った。
それをある意味タダで聞けたことは、わざわざ私がやらずにそれだけのものをもらえたことになる。
現役でありながら、浪人留年の経験値をそれなりに集めた。
そして現役での強みは、何事かに早く入門できたことなんよ。
同じ学部を出るにあたり、現役なら一番早い。
一浪すれば一年遅れ、二浪すれば二年遅れる。
歳だけ食うて、入門の時には歳下と同一線上に並ぶ。
歳下であっても、先に入門した者が先輩であり、そこはシビアな世界が多い。
大学卒業までずっと現役であれば、同級生や場合によっては学年が下でも歳上が増える。
こうした人たちは、違う世界においては人生の先輩であり、その人たちから教えを受けられる場を人工的に設えようとしたらお金はすげえかかるじゃろう。
大学以外にも、会社や板前のような職人の世界やヤクザの世界でも、やはり先に入門した者が上いうヒエラルキーがある。
やがて実力が上回って、追い越すとかはあるかもしれん。
私の波動理論やその技なども、一通り身につけるまでは、相応の一定期間が要る。
その過程修了した後は、それなりにそれを手足のように活用できるんじゃけど、やるやらんはその人それぞれ。
前やんなんかも入りたての頃は、アスペルガーのYさんを師匠として修得しようとした。
その修了が大学4年に相当するとしたら、Yさんは3年生ぐらい。
修了した時点で、その不足部分が見えてくる。
うちらは実力本位の世界じゃけえ、実力で上回ればそれがその通り機能する。
私には、波動以外の部分もある。
波動が修了したら、他の部分に関してチャレンジしてもろうてもええ。
前やんや亡くなったぽんたなんかは、謀略までそれなりに理解した。
ともあれ、物事には修得するのに一定期間は必要になる。
一年生は、二年生を飛び越えて三年生や四年生にはなれんのよ。
しかしその過程を修了したら、あとは自由にやっていけるんよ。
修了に必要な年数の存在があることによるヒエラルキー、それは否定できず崩せない。
どんな道でも、踏み出すその時は初心者一年生。
その現実は、歳に関係なくのしかかる。
そういう意味で、怠らずに自分の道を進む者は、先に行けるんよ。