「本当に沈没するの?」「母さん、父さん、愛してる」。
昨日付の韓国紙・中央日報は南西部・珍島沖で起きた客船沈没で、JTBCテレビが入手した事故直後の船内の映像について報じた。
亡くなった男子高校生が携帯電話で撮影した計約14分の映像で、「動かず待機してください」との船内放送が繰り返し流れる中、生徒らが沈没を心配する様子が映っている。
「あっ、傾いた」「こっちに傾いている。動けない」「部屋のドアが開かない」。
傾き始めた船内では不安が広がるが、生徒らはまだ深刻な状況に気付いていない。
「ニュースに出るんじゃない?」「フェイスブックに出せば面白そう」とふざけながらのやりとりが続く。
さらに船は傾き、生徒らは救命胴衣を着用。
「タイタニック号みたいだ」「沈没はしないだろう。しては駄目だ」と不安が膨らむ。
甲板にいた友人らを「海に落ちたんじゃないか」と心配する生徒も。
家族を思い出した生徒は「母さん、父さん、愛してる。(弟の名を呼び)修学旅行には絶対行くな。助けて。最期だ」と訴えた。
「現在の場所から絶対に動かないでください」という放送が流れると、生徒らからは「はい」と声が上がった。ただ「何が起きているのか説明してくれないと」「救命胴衣を着るということは沈没しているということじゃないのか?」といら立つ様子もうかがえる。
撮影当時は甲板などに脱出できる時間の余裕があったが、生徒らの多くは待機を命じる船内放送により客室から出なかったため、最終的に逃げ場を失った。
この映像に映った生徒の多くが亡くなったか、行方不明になっているという。
やはり避難誘導のまずさがでかいのう。