安倍晋三首相は昨日、政治とカネをめぐる問題で辞任した小渕優子前経済産業相の後任に宮沢洋一元内閣府副大臣(64)、松島みどり前法相の後任に上川陽子元少子化担当相(61)の起用を決めた。
国政の重要課題や国会審議への影響を最小限にとどめるため、政策に明るい両氏を選んだ。
速やかな後任決定で態勢立て直しを急ぐが、第2次政権で初の閣僚辞任で首相自身の任命責任が問われており、政権運営は厳しさを増しそうだ。
首相は昨日夜、宮沢、上川両氏を首相官邸に呼び、閣僚起用を伝えた。
この後、首相は後任人事を急いだ理由について記者団に「経済最優先で、政策を前に進めなければならない。行政、政治に遅滞があってはならない」と強調した。
首相は、宮沢氏について「政策通で、税のプロと呼ばれていた。成長重視の税制を含めた成長戦略を進めてほしい」と表明。
上川氏については「議員立法の犯罪被害者基本法を取りまとめた知識や経験を生かし、法相をしっかり務められると確信している」と語った。
これに先立ち、首相は首相官邸で小渕、松島両氏の辞表を受理。
記者団に「任命責任は首相である私にある。
こうした事態になったことを国民に深くおわびする」と述べ、陳謝した。
小渕氏は関係政治団体が行った観劇ツアーの収支が合わないなど不明朗な資金処理、松島氏は地元選挙区でうちわを配布した問題をめぐり、それぞれ公職選挙法違反などの疑いが指摘され、責任を取った。
小渕氏が18日に辞意を首相周辺に伝えたのに対し、松島氏については当初、辞任は必要ないとの声が政府・自民党内にあった。
しかし、政権として混乱長期化を避けるため、「同時辞任」で幕引きを急いだ形。
新閣僚の認証式は今日午前に皇居で行われる。
今回の辞任劇で安倍政権への打撃がでかけりゃええねぇ。