北陸新幹線の金沢延伸から、14日で1ヶ月。
客足は順調で、5月の大型連休には混雑が予想され、既に指定席の予約が満席の便も。
一方で、急激な人の集まりに対応し切れていない施設や町の問題点も浮かび上がってきた。
JR東日本、西日本の調べで先月延伸区間の上越妙高~糸魚川を利用した乗客数は49万人と、在来線特急だった前年同期と比べ2・8倍。
高崎~軽井沢は90万人で、長野新幹線だった前年同期比の1・9倍。
平均乗車率は最速タイプのかがやきが高崎~軽井沢63%、上越妙高~糸魚川が56%。最上級グランクラスに限れば、両区間とも75%前後。
混雑するのは土曜午前の東京出発便や、日曜午後に金沢、富山を出る便の乗車率が高い。
一方、いざ開通すると、施設やサービスの使いづらさ、予想以上の混雑など新たな問題点も発生。
さらなる混雑が見込まれる大型連休に向け、関係者は対応に大わらわ。
新幹線定期券は、上越妙高駅をまたいで購入できない。
JR東日本と西日本の管轄が駅を境に分かれるからだ。
両社は「在来線特急定期券の利用実績から、エリアをまたぐ需要は多くないと判断した」と説明。
だが、沿線各地は新幹線通勤も念頭に企業進出を呼び掛けており、今後要望が強まる可能性はある。
富山駅では、新幹線を降りると駅北口に直接出られない問題が判明。
駅の並行在来線部分が第三セクターあいの風とやま鉄道に移行し、JR乗車券では通り抜けられなくなったためだ。
南口に出て地下通路を経れば行けるが、分かりにくいと戸惑う利用客が数多く見られた。
とやま鉄道ホームを全て高架化し地上階で南北に通り抜けられるようにするのは数年先。
とやま鉄道は新幹線乗客に無料の通行券を発行し、北口へ出られるよう対応すると決めた。
とやま鉄道では、朝の通勤通学時間帯に利用客が電車に乗り切れない事態も発生。
JR時代よりも1本当たりの車両数を減らしたのが原因。
旧式の予備車両で当面しのぐが、所有する車両数に限りがあり、ダイヤを組むにも苦慮。
金沢市周辺の観光地を週末に周遊するバスは、観光客が増えて満員状態が続く。
タクシー会社の中には、金沢駅で乗る利用客が対前年比で5割増えたところもある。
在来線は不便になった。