農作物は、単に作るだけでも時間や労力がかかる。
これを作ろういう意思のもと、取りかからんと何もできん。
何をどうしたいかを考えながらやらにゃ、単なる徒労になる。
私や前やんなんかは、食糧自給に向けて動き出したんじゃけど、会社勤めの傍らの農業じゃけえ、やれることも限られとる。
単なる食糧自給ではなく、作付けノウハウを獲得するのが目的じゃけえ、経済面は後回し。
しかし、1ヶ月でかかる食費が、まあ5万円あったとして、それが3万になれば、2万円の農作物を売って稼いだのと同じになる。
自己消費分には包装も要らんけえ、その経費もない。
自己消費をはみ出した部分を売るように考えればええんよ。
気心知れた人になら売るもよし、交換するもよし。
ここらへんも包装の経費はかからんねぇ。
まあ例えば、うちで緑豆がとれまくり倒したとする。
余ったのがあれば、どうしても食べたいいう人がおったとして、同量のお米と交換するとか。
サツマイモ作ったはええんじゃけど、変わった品種食べたいけえ、うちのと同量交換するとかね。
第三者に売るにはちょっと敷居が高くなり、包装が要る。
作った後のメンテナンスが必要になるんよ。
たけした君みたいなイチゴに特化した農家は、逆に自給自足とは違うクオリティが求められる。
単に作るだけではダメなんよ。
包装したり、売り込みに行ったり。
肥料や設備も、設えられたもんから抜け出せん。
農業周辺の雑務にもお金をかけ、労力もかけにゃいけん。
私や前やんも、ブランド化して人気が出れば、それがまた商品価値にもなるんじゃけど、そうでもなければ商品価値が高いもんでしか商売できん。
農業は、単なる作付けであっても、そこにセンスも要る。
作り出せるだけで大したもんじゃ。
そういう意味でも、これは作れるいうレパートリーを増やしとくことは大事じゃ。
自給自足を目指す以上、総重量を上げていくことが大事になる。
人間は、生きていくのに相当の量食べる。
それは農業やり始めてから思い知った。
他人が作ったもん食うて生きとるんよねぇ。
私はいずれサツマイモを目玉商品にしようと思う。
いろんな品種を取り揃え、ブランド化できればとも思う。