会社勤めが長くなり思うことは、基本的に会社は自社の収益優先で、個人の能力の育成は二の次いうことなんよね。
しかし、収益向上のために研修を充実させることをやるとこは、それなりに伸びるんよ。
しかし、これもあまりやり過ぎると、そのスキルが育ちまくった社員が今の待遇にバカバカしくなって、どっかにドューダしてしまうんよね。
より高い収入と、より能力の発揮できる方へね。
個人で頑張って能力を伸ばして転職する人は、会社の力ではなく個人の意思でそれをやったんじゃけど、そこにはかなりの力が要るんよ。
会社勤めは、それだけで忙しい。
時間や労力が限られる中でやらにゃいけんけえ、それは大変なんよ。
最初の就職先は、製薬メーカーの営業じゃった。
入って一年か二年すると、同期の人らがだいぶ変わってきた。
同じような日常の中で、人間が硬くなってきたんよね。
フレッシュな柔軟さが失せてきた。
私は四年半おったんじゃけど、正直二年もやればたくさんて思うような環境じゃった。
配属の時に引き継ぎもなく、細くて大量の得意先を押しつけられ、商品力もない営業経費もケチられる希望のない担当。
何やっても何言うても怒られる。
巡回しきれず、価格対応もできず、欠けていく一方の売上。
責任を問われ、酒とストレスで体まで壊した。
起死回生になったのは、速読じゃった。
そんで資格があったんで転職もできた。
あそこでの経験は、とりあえずの経験値を持つ意味ではよかったものの、やはり二年程度で収穫するもんがほぼほぼ底をついた感じなんよ。
次の職場はそこよりはマシだったんじゃけど、やはり二年程度で収穫するもんが底をついた。
今のとこも、通常業務はそうなんじゃろうけど、途中から外国語多数をやることになり、そのことで違う強みができてしもうた。
似たようなことができる人がおらず、そういう力が育つ人がおらんけえ、異動の多いはずがずっと同じとこ。
また、誰もできんことじゃけえ、その仕事は私の独壇場になる。
そのことでさらにスキルアップしよる。
会社が私の道具として、スキルアップに貢献するような状況が現出した。
私も、より収入や待遇の良さを求める。
農業の収益で待遇が良くなったとしても、スキルアップの道具となった会社を手放すことは、したくなくなったのであった。