宦官は去勢された男性で、つい最近まで中国に存在し、今でもインドなんかには去勢された人がままおる。
ニューハーフが性別変更のために去勢するのではなく、男でも女でもない中性になった人らなんよね。
中国の場合、刑罰で死刑に次ぐ重罪に宮刑いうのがあり、これが去勢のことなんよ。
宦官の場合は、自ら志願して切り落とすんで、自らの宮刑いうことで自宮いうことになるんよ。
ただ、この志願していうのがちょっとビミョーで、一族の存続のために誰かを生贄として捧げる必要のある場合、本人とも協議した上でやむなくそうなる場合もあった。
貧乏でどうしようもない場合には、宦官になることによってもらえるお金で、一族の暮らし向きが良くなり、本人の生活も保証されることになる。
家が貧しく、本人が成人してもまともに仕事ができんとかいう場合には、一挙両得になるケースもある。
生活保護制度のない時代には、セーフティネットの一つとして機能する面もあった。
五体満足に生まれても、脳の発育障害によってまともに体を動かす仕事ができん場合、どこ行ってもクビにされ生活ができんのよ。
そんな場合には、勉強して学者やお寺のお坊さんになるか、宦官になるかいう道になるじゃろうね。
仲間内にも過去宦官とおぼしきゾロアスター系の人がおって、アスペルガーゆえにどこ行ってもクビにされ、出席点だけで給料もらえる職場にようやく拾うてもらえた。
このままでは、いずれ生活保護になることはわかるんじゃけど、そうさせんためにもアスペルガーを治すことをいろいろ考えとるんよ。
歴史上の宦官にはそれこそピンキリで、立派な仕事を残した人もおれば悪宦官としてメタクソになったのもおる。
しかし、いいにつけ悪いにつけ名前が残るのは一握りであり、大多数は下級宦官としてイジメられながらの日々じゃった。
まず人間扱いされず、ホルモンの変調やら子孫がないことから性格も歪みやすく、それが宦官特有の異常心理を形成させるとも言えたし、それが悪宦官の比率を高める要因とも言えた。
いろんな時代があったんじゃけど、ある時には後宮拡張のために宦官が足らんようになり、それを雇うために募集するとまともに働くのがイヤな人とかが大量に押し寄せ、自宮までしたのに雇うてもらえんいうこともあった。
肉切り包丁で自分でやった結果、そんでも雇うてもらえん踏んだり蹴ったり。
遊んで暮らせると思うてやったことじゃけえ、自業自得とも言えるんじゃけど、なんともねぇ。
宦官の仕事は、後宮の女性の世話が多い。
皇帝の機嫌一つで首が飛んだり、場合によっては幼い皇帝を操って権力を握ることもできた。
しかし、大多数は夢も希望もなく、これと言うてええことがあるわけでもない。
使いっぱを延々とくり返すうちに、生き方も惰性になっていき、ますます系統立った仕事ができんようになっていくことに。
その仕事能力の無さが、再び生まれ変わった時にも宦官をくり返すことをさせた要因にもなるじゃろう。
仲間内のアスペルガーの人を見ても、現代ではなかったとするとどうしたかを考えると、学者にもなれそうにないけえ、やはり宦官か下っ端のお坊さんぐらいしか思いつかない。
あとは殿様とか王様とかもどうかいうこともあるんじゃけど、そういう立場にはそういう立場を守る能力も必要になるけえ、生まれ落ちたとしてもその立場は持ち崩すじゃろう。
何年か前に破門したやはりゾロアスター系のアスペルガーの人がおったんじゃけど、こちらはそうした立場で出てもやっていけた。
何もできんのは一緒なんじゃけど、態度がやたらデカく上から目線。
公家とかで出てたことが多いらしい。
あの上から目線の言いぐさで人を怒らせることはあるものの、さりとて偉い立場であればあの自己主張で厚かましいとは思われながら、立場上仕方ないと思われ家を保てるんよね。
アスペルガーが先か、宦官が先か。
程度の差はあっても、やはりアスペルガーが先のような気がするのう。
過去公家とおぼしきアスペルガーのやつもおることからして、傲慢タイプのアスペルガーも存在するけえのう。
やはり、宦官とアスペルガー、それからゾロアスター系はビミョーな関連があると思われる。