いよいよ新居に引っ越して、新しい生活を始めることになります。
これまで借家住まいは、18歳の時に大学進学のために下宿してから31年10ヶ月ぶりになります。
ここも東京から緊急避難的に逃げて来て、かれこれ6年8ヶ月。
仮住まいとしては、わりと広くていろんな経験ができてよかったです。
原発事故で友人を亡くし、安全な場所を求めて無差別ワープ。
姫路に逃げて来て、場所も姫路から網干の間いう設定のもと、明るくてええとこになった。
姫路から網干の間は、電車の本数が多いんよ。
友人の被曝死で傷心の私は、何もない原野を相手に開墾を始めた。
最初は食糧自給を目指しとったんじゃけど、そのうちにカイアポの量産に成功し、それを拡大して商売しよういう状況にまでなった。
こちらに来たばかりの頃は、本当に何もなかった。
つらく切なく悲しい幕開けじゃった。
無心にセイタカアワダチソウを駆除して、それを燃やす日々が続いた。
豆が育ち、サツマイモがとれ、メロンがとれ、カイアポも。
そうして暮らすうちに、セイタカアワダチソウがもたらす実りの豊かさに、本当に喜びと充実感を味わうようになった。
何つう豊かさじゃ、ありがたいのうありがたいのう。
そのうち銀座のマンションが値上がりして売却できたんじゃけど、これもこちらに来た時には多額の負債でしかなかった。
一昨年からマンションを売り、昨年から家を建て始めてようやく完成。
とりあえず今度の新しい広い家は、毛利家で言う郡山城としとこうか。
次の目標は、広島城じゃ。
さらにその次は、門司城。
広島城は、近場の持ちビル。
門司城にあたるのは九州における宿泊施設で、佐伯に事務所を持つこと。
まあそうした展望を持ちながら、どうなることか。
そうした中、年末にぽんたまで亡くしたことは痛かったのう。
これ以上、仲間内で欠ける者を出したくはないのう。
星回りも陽転を始めて、来年以降攻勢に出られるいう中、昆虫が羽化するが如く環境も一新。
これまでの仮住まいよ、ありがとう。
ブァミリアガーデンよ、ありがとう。
近所じゃけえいつでも見れるんじゃけど、ここで過ごした6年8ヶ月は、私や仲間内を大きく育ててくれた。
ぽんたが欠けたのは残念なんじゃけど、そのぽんたも得難い経験をして帰天した。
かつての住まい第一松雲寮、製薬メーカーの中野寮、メゾンジャンクション、第2若宮荘、そしてブァミリアガーデン。
その時その時の悲喜こもごもが、竹の節のように積み重なった。
実家との全面戦争から、難民になって放浪しとった感じなんよ。
ようやく帰るべき場所ができたのは、本当にありがたいことじゃ。
ヤドカリの貝殻じゃないんじゃけど、もう二度と戻らないかつての住まい。
一番長かったのは第2若宮荘。
ブァミリアガーデンは二番目です。
よくこれまでの生活を支えてくれましたと、感謝感謝です。