しかし、一般人には窺い知れん領域をかなり見せてくれた。
惑星探査機がそこを通過する時に鮮明な画像を送信したように、ベールの向こう側を赤裸々に言うてくれた。
かねてより、アンチが指摘しとったことの裏づけがとれたり、教祖の人間像の俗物さ加減がかなりよくわかった。
そのことで、教団の信用面の失墜とその打撃は甚大で、今後の入信者の減少に拍車をかけた。
しかし、その快進撃もチャンネル削除で方向転換を余儀なくされつつある。
あまりにも実名を出し過ぎたことが、プライバシー侵害に抵触した可能性がある。
私は個人的に教祖長男のファンではないんじゃけど、彼に動いてもらうことによって教団の弱体化が早まるのあれば、作戦を協議して教団からは手も足も出ない状態で暴れてほしいと思うとる。
彼は悪人ではないものの、修行者でもない。
私とは話が合わないじゃろうけど、打倒教団と毒親対策に関しては助け船を出せると思う。
それ以外のことは、私はあれこれ指図するつもりもないし、本人の生き方も否定しない。
ただ、私も彼の考えには協調しない。
水面下で私がやりよる教団弱体化に関して、彼の参考になることがあればええんよ。
お互いに利害関係はないし、そういうこと度外視で私は私の正義を、彼には彼の正義を貫くことができればええのよ。
毒親に関しては、私も相当苦しめられたんじゃけど、シゴウすることに成功した。
毒親問題は、私よりも彼の方が難易度は高い。
教祖長男は、反乱を起こしても勝てるとふんだ。
ただ最新の機械とかを使うのが苦手とはいえ、愛人と遊びまくって頭が化石化したとはいえ、教祖の基礎学力は高い。
幹部の使い捨てを駆使した戦略作戦を立てて動いた場合、侮れん相手であることは確か。
甘く見ん方がええ。
私の経験や知恵が、必ず役に立つことがあるじゃろう。
私と組んで戦う方が、有利ではあると思うんよ。
まあ組むかどうか決めるのは、教祖長男。
私の教団打倒の作戦には、もともと教祖長男の反乱は含まれてはおらんかった。
そういう意味では、組もうが組むまいがどちらでもええ。
ただ教祖長男は、突然反乱を起こして教団の打撃は甚大。
ここで彼の力が弱まるのを防いで、大暴れさせることで教団弱体化を早めることができれば、それだけたくさんの人を救えるじゃろう。
ただ私からすれば、火中の栗。
関わることで、とばっちりが来るリスクも高まる。
まあ進退両方の備えをした上で、待つことにしましょうか。
