東京からファミリアガーデンへの移転の時、あえて蔵書のダンボールは梱包を解かんかった。
それはいずれまたどこかに移転することが、予め想定されとったけえのう。
荷ほどきしてしまえば、また移転の時に梱包のやり直しになる。
それで読みたいもんもありながら、そのまま放置。
さりとて、移転当時は多額の負債を抱えて二進も三進もいかん有様。
ほんまかいなと思いながら、研究しつつ待つことに。
ようやく念願の住まいを手に入れ、梱包を解くことに。
物置一杯にあったもんが、棚に少しずつ片付いていく。
それで隙間が少しずつ広がる。
ああここに家を持ったいうことは、ここを根城に今後のことがあるんじゃのう、根を下ろすんじゃのう、しみじみとそう思うた。
原発事故の後、無差別ワープでファミリアガーデンに逃げ、そこから新たな枠組み作りに尽力した。
最初からファミリアガーデンは暫定的な居場所いうことは否めず、どうしても農業において限界があった。
しかし今のとこは、庭が想定よりも狭い以外ほぼほぼ思い描いた通りになった。
その中で次の戦略を立てるべく、動いております。
今年から来年にかけてカイアポを軌道に乗せ、事業の拡大と共に農地を取得して温室を新設し、その上にキウイやブドウを作るんよ。
それが、ここ短期間の戦略かな。
ともあれ、ようやく荷ほどきができとる状況に、なんとも言えん感慨があるのう。