ちょっと、職場が揉めております。
先月異動になりましたが、職場も新しければパートアルバイトも新人。
そうした中、上司とパートさんが激突。
六崎さん聞いて聞いて、両方から相談が持ち込まれる。
上司もキーキー言うとるし、パートさんの怒りが収まらない。
パートさん数名と話し合うことになり、一通り話を聞いて思うた。
やっぱりな、気持ちはわかるぞ、そんでもな、上司はゾロやで。
これ、わかっとってその通り言えんもどかしさ。
そこで必死になだめた、わかるわかりますよ、ほんでもな上司は悪人やないで。
すると、ガス抜きになったのか口調が穏やかになった。
こんなこないなこんなことされたんですわ、どう思います?
うん、そんとなことは私もこれこれこうじゃ。
そうですやろ、どないしてくれはりますのん。
いや、上司が悪人でない以上、それはもう風景と思うた方がええよ。
え?風景?
そう、風景。
そういう性格じゃけえ、そういうもんじゃと思うてやってみて、それで業務に支障が出るようなら、改めて皆さんで揃うて意見言うたらええ。私も話は聞きますんで、対策は考えますよ。
ああ、六崎さんに話してよかったわ〜、今日はゆっくり眠れる。
とまあ、そんな感じ。
うちらの理論知っとれば、上司がなぜそういう動きをするのかが一発でわかる。
理由は一つ、ゾロだから。
魂の民族ゾロアスター系は、細かいことにこだわり、せわりなく動き、時々ヒステリックにキーキー言うたりしよる。
上司の場合救いなのが、根に持たないこと。
執念深くはなく、熱しやすく冷めやすい。
仕事が大変で、テンパっとるいうのもあるんじゃろう。
パートさんたちよ、本当は私の本読んでもろうたら一発なんじゃけど、それ言うたら私の正体がバレてしまう。
悪いけど、それはできんのじゃ。
それはできんのじゃけど、それでもそれをうまくなんとか伝えてあげるけえ、許してくれや。
う〜ん、高度な修行じゃのう。
正体を伏せたまま必要なことを理解させ、問題を解決する。
何とももどかしい限りなんじゃけど、そのやりづらさの中に私の正義の謀略の威力を見せることが必要なようじゃのう。
待っとれよみんな、ゾロの障りを破ってくれよう。
おまけとして、パートさんの一人が腹立ちまぎれにこう言うた。
とにかくな、あたしの中ではな、六崎さんは癒しの存在やねんから。
は?
なんだかようわからんのじゃけど、ゾロよけ対策はともあれ頑張らにゃいけんようじゃ。