記録的な大雪で孤立した地域に向け、自衛隊の物資輸送が本格化している。
昨日午前には約490人が孤立している東京都奥多摩町への輸送も開始。
陸上自衛隊の担当者は「降雪から数日たって物資輸送のニーズが高まっており、作業を急いでいる」と話した。
自衛隊は17日までに山梨、長野、群馬各県に計約3・4トンの物資を輸送。昨日午前には陸自立川駐屯地(東京都立川市)から離陸したヘリコプターが奥多摩町へ物資輸送を始めた。
同日午後には輸送に当たるヘリコプターを7機から14機に増やした。
山梨県早川町に食料を運ぶため飛び立ったが、天候不良のため途中で断念して引き返すヘリコプターもあった。
政府は昨日、豪雪非常災害対策本部(本部長・古屋圭司防災担当相)を設置し、14日に降りだした記録的大雪への対策を5日目にして本格化させた。
孤立状態の集落が多数残る一方、主要高速道路が復旧しつつある中での対応は、「遅きに失した」(海江田万里民主党代表)との野党の批判を回避しようとの思惑もありそうだ。
安倍晋三首相は昨日、首相官邸で開いた対策本部初会合で「関係省庁一丸となって国民の生命、財産を守るため、対応に万全を期すようお願いする」と指示した。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で、関係省庁課長級による災害対策会議を16、17両日に開催したとして、「内閣全体で取り組んでいる」と対応に遺漏がないことを強調した。にもかかわらず対策会議を局長級の対策本部へと格上げしたのは、従前の取り組みでは不十分との認識の表れだ。
実際、政府の一連の対応からは、見通しの甘さやちぐはぐさがうかがえる。
政府高官は14日、その前の8~9日の大雪を念頭に「今回はそんなに降らないだろう」と語っていた。
だが、甲府市や前橋市、埼玉県の秩父、熊谷両市などで観測開始以来最多を記録。
古屋氏は昨日の衆院予算委員会で「予想を上回る降雪」と認めるしかなかった。
しかし東日本は311以降、竜巻やら地震やら、それに今回は大雪。
天変地異に見舞われとるのう。
なんかヤバいのう。