山陰と山陽は、あんまり距離が離れとらんのじゃけど、気候が大きく違う。
瀬戸内は気候も比較的穏やかで、夏が暑い。
前やんのおる福知山は、山陰。
北陸と同じような気候。
福知山も夏は暑いんじゃけど、冬は日本海側特有の雪に伴う寒さがある。
仲間内のやりよる瀬戸内の農業とは、内容が違うてきよる。
夏は瀬戸内と同じようなもん作れるんじゃけど、冬は瀬戸内有利なもんが不利で、瀬戸内不利なもんが有利な場合もある。
昨年、前やんは空豆やえんどう豆をやり、特にえんどう豆が初じゃったんかね。
とれたえんどう豆を、お子さんがバリバリ食うとったとかいう話。
雪が少なければ、こういう春の恵みもあるんじゃけど、豪雪に見舞われたらアウト。
大雪の時は全滅する可能性がある。
私らは数年前に、蕎麦の作付けを考えた。
しかし、瀬戸内の気候ではあんまり育たず、効率性を考えると、やらん方がええと判断した。
しかし、福知山なら話は別。
春先と秋口の2回、蕎麦を作付けすることをやってもらおうかと思う。
この気候の差を考えさせられたんが、先日とってきたハマナスなんよ。
北方の植物のハマナスは、山陰が南限なんよ。
なんで南限なのか、それは種を休眠状態から覚醒さすのに、湿った状態で3度以下にせにゃいけんのよ。
瀬戸内で、そういう条件は揃いにくい。
しかし、福知山なら簡単。
土の中にあれば、3度以下の雪解け水がほっといても浸みてきよる。
先日行った前やんの畑なんか見ても、あの環境ならいう構想がそれなりに見えたは見えた。
夏にカイアポに養分を吸いまくられてスカになった畑に、薄く灰をまき、秋口に蕎麦を植える。
収穫が終わったとこで、灰を追加してえんどう豆。
春先に新規のとこに灰をまき、蕎麦を植える。
春の蕎麦を刈り取りした後に、灰を追加でカイアポ。
こんな感じ。
蕎麦を脱穀してご飯に混ぜて炊くと、美味しい蕎麦飯になる。
瀬戸内では食えるほどとれず、逆に緑豆がよく育ち、緑豆ご飯になった。
瀬戸内では役に立たんかったもんも、気候風土が変われば同じようにダメとは限らない。
ハマナスも、前やんに発芽までやってもらい、それができたら仲間内で植えまくる。
こういう発想の転換ができれば、それなりにまたいろいろ進展するはずじゃ。
前やんも、今は言われた作付けを真似するだけなんじゃけど、他の仲間内でできんもんが豊かにとれるようになったら、それはそれで特色が出せる。
ハマナスの発芽だけなら、この顔に任せとけとか、蕎麦ならこの顔に任せろって言えるようになってほしい。
他にもあるんじゃろうけど、今のところ、そこらへんからスタートかな。