父の作品破壊によって父の悪事が露見し、そのことで父の信用は失墜した。
父のために親戚中から攻撃されとった私も、父の信用失墜から名誉回復して、敵対者とだいぶ和解できた。
しかし、その作品破壊に踏み切れたのは、実家勢力の弱体化にあった。
実家の隣には父方の祖父母がおり、両親のうち父と祖父母が結託して嘘をつき、親戚中がみんなそれを信じとった。
両親からの虐待も握りつぶされ、私が一方的に親に反抗しとるいうことになり、親不孝なバカ息子いうことで親戚中で悪者になった。
やはり両親から攻撃されとった弟も、私の真似をしとるいうことになっとった。
母ゾロは引きずられとっただけなものの、その直接攻撃は一番ひどかった。
この両親と祖父母が全員健在とすると、今でも打ち破れる方法がわからんのよ。
祖父母の老化による弱体化があってこその、父の作品破壊が効いたわけなんじゃけど、それがない場合には未だに勝てんのよ。
時間が味方してくれたことで勝てたものの、それがなければと思うとゾッとする。
ただ、この勝てない相手をどう攻略するかを考え続けることで、謀略を鍛錬し続けることができる。
いろんな人がおったんじゃけど、善人でも足を引っ張る結果になる者と、悪人でも父を見放す者もおるとかいろいろある。
父方の祖父母の前に亡くなった母方の祖父母、彼らは善人ではあったものの、生きておればおそらく私の足を引っ張ることになったのは目に見える。
あの2人は正義感から私を攻撃することになり、おそらく関係修復はできんようになっとったはず。
そういう意味でも、その存命中ではまずあの破壊工作はできんかった。
母方祖父母が亡くなった後も、父の妹夫妻が強力な父の味方として立ち塞がり、それは父方祖父母の言いなりに近い形じゃけえ、これまた手がつけられんかった。
祖父母の頭が耄碌して嘘に基づく指示を明確に出せんようになったのと、事前に3つ作品を壊しておいたことで、父の妹夫妻が父の行動に不信感を持ったことなどが功を奏した。
全面的に父の嘘に踊らされたままの叔父と叔母では、まず理解してはもらえんかったじゃろう。
この2人の調略を祖父母が元気なうちにやる路線と、母ゾロをなんとか父から切り離す路線がまずある。
あとは祖父母自体に対する攻撃もあるにはあり得たんじゃけど、やるとしたら老人攻撃をかなり強く非難されて状況はぐちゃぐちゃ。
祖父母に関しては、祖母は実の祖母じゃないし、その性格の悪さを知っとる人がおるにはおるけえ、やるとしたら祖母か。
しかし、祖母には一人息子の叔父がおり、彼が黙っちゃおるまい。
こういう状況では、味方であるオルゴンの叔父としても、庇いきれまい。
こういういろんな人間関係が複雑にあって、それがある程度削げ落とされたことで、ようやく動けたんよね。
亡くなったはずの人を登場させることによって、問題は難しく複雑化し、また弱っとった人を元気にさせることによってやはりそうなる。
それを打ち破る謀略、それが思いつかずとも、思考鍛錬することで謀略自体は深まる。
仲間内では、前やんが私の置かれた立場での判断をシミュレーションする中で、答えが出せんままもだえとる。
答えが出せんでも、やはり思考鍛錬することで謀略は深まる。
その深まった謀略は、いずれ違う形で仕事をすることにもなろう。
謀略は深めようと、その果てはわからん。
謀略が深まったとしても、それが幸せにつながるとも言いかねる部分もある。
しかし、それでも私は身近な善人を守るための謀略を深める。