記録的な豪雨で鬼怒川の堤防が決壊した茨城県常総市では、昨日までに安否不明者全員の無事が確認された。
不明者をめぐる県と市の情報伝達に混乱が生じた一方、市の情報提供に対しても市民から不満の声が上がっている。
非常用電源が水没して市役所が一時機能不全に陥るなど、行政の危機管理の不備が次々と表面化している。
県は昨日午前9時50分、県庁で開いた会議で不明者15人中、14人の無事を確認したと発表したが、市側は発表の約1時間後まで情報を把握していなかった。
県は14日正午すぎに県警から9人が無事と連絡を受け、午後7時ごろにはさらに5人無事との情報を得ていたが、昨日の会議まで公表していなかった。
さらに県は同日午後、無事とした人のうち1人は実在せず、通報が架空だったと発表した。
市は不明者の氏名を公表してこなかった。
多くは自宅や避難所にいたため、公表すればより早く無事を確認できた可能性がある。
昨日午前には、決壊現場付近に住む住民ら約10人が市役所を訪れ、市の情報提供について高杉市長に抗議した。
決壊現場近くの住民に対し、市が堤防決壊後まで避難指示を出していなかったこともこれまでに判明している。
市役所の危機管理態勢も疑問視されている。
東日本大震災で被害があった市庁舎は昨年11月、同じ場所に新築された。
ハザードマップには「鬼怒川の氾濫時、庁舎周辺が1~2メートル浸水する」と明記されていた。
非常用発電装置と太陽光発電用の蓄電池はいずれも1階部分に置かれており、浸水で水没。
停電で固定電話はつながらなくなった。
庁舎の孤立状態は決壊2日後の12日朝まで続き、市役所はその間、事実上機能を停止した。
最近の異常気象に関しては、案外こんなもんかもしれん。
どんなに気いつけても、予想を越える事態にはちょっと対応できんじゃろう。
今後もこういうことは増えるんじゃないんかねぇ。