南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国がスービ(中国名で渚碧)礁などに造成した人工島から12海里(約22キロ)以内に米海軍のイージス駆逐艦ラッセンが入ったことを受け、中国外務省の陸慷報道局長は昨日、中国の関係部門が法に基づき、米艦を監視し、追尾し、警告したと対抗措置を取ったと明らかにした。
その上で米艦の行動は中国の主権、安全への脅威であり、地域の平和と安定を損なうと批判し、強烈な不満と断固たる反対を表明した。
ラッセンは現地時間の昨日午前(日本時間同)に進入し、アメリカCNNテレビによると、この日のうちに作戦を終了した。
中国国防省の楊宇軍報道官によれば、警告したのは中国海軍のミサイル駆逐艦蘭州と巡視艦台州。
中国の劉振民外務次官がボーカス駐中国米大使を呼び、極めて無責任と厳しく抗議した。
米軍は引き続き派遣を繰り返す構えとみられ、南シナ海を舞台にした米中関係緊迫化は必至だ。
陸局長は、米艦が中国政府の承諾なしに違法に中国の島、岩礁の近海に進入したと非難。
一方、人工島造成についても自国領土内で行っている建設活動は主権の範囲内だと主張し、元は暗礁だった人工島が主権の及ぶ領海を構成しないとする米国の主張に真っ向から反論した。
陸局長は米国が航行の自由を名目にして、中国の主権と安全を損なっていると強く批判。
中国は領土主権と安全、合法で正当な海洋権益を断固守る。挑発をたくらむいかなる国家にも断固対応し、海空の状況への厳密な監視を継続し、あらゆる必要な措置を取ると警告。
対抗措置を続ける考えを示し、米側をけん制した。
楊報道官も米国が中国の反対を無視して、海空兵力を接近させたことは偶発的な事故を招きかねず、無責任なやり方だと非難。
米中が両国軍用機の偶発的な衝突を避けるための行動規範に合意した直後に起きた今回の挑発行為が相互の信頼を損ない、新型大国関係構築の努力に背くものだと訴え、再発防止を求めた。
中国が実効支配する南シナ海の岩礁から12海里以内への米艦進入は2012年以来。
中国は昨年以降、岩礁の埋め立てと施設建設を加速させている。
ラッセンは神奈川県米海軍横須賀基地を拠点とする。
中国の主張はムチャクチャ。
中国の理屈が通るなら、人工島を作ったもん勝ちよね