ギリシャで今日、欧州連合(EU)など債権団が金融支援の条件とする財政緊縮策の是非を問う国民投票が行われる。
賛否が伯仲する中、緊縮反対派が勝利した場合は、ユーロ圏からの離脱の可能性が濃厚になる。
賛成が多数なら、「反緊縮」を掲げるチプラス首相の退陣や早期の総選挙も想定される。
結果にかかわらず、国内の混乱長期化は避けられない。
チプラス首相は3日、「ギリシャを脅迫する者たちにノーを突き付けよう」と首都アテネの議会前広場に集まった市民2万5000人に、国民投票で反対票を投じるよう最後の訴えを行った。
首相は、国民投票で反緊縮の世論を示せば、EU側から譲歩を引き出せると説明。
だが実際は、EU側はさらに態度を硬化させるとみられ、支援交渉の再開は見通せない。
新たな支援を受けられなければ、休業中の国内銀行が再開するめどが立たない。
現金不足を解消するため独自通貨が発行され、ユーロ圏から離脱する公算が大きくなる。
一方、EU側は、緊縮容認派が勝利した場合、欧州中央銀行(ECB)を通じたギリシャへの資金供給を増額する考えを示唆しており、銀行の速やかな営業再開が期待される。
しかし、それでも国内政治は混迷の度合いを増しそうだ。
安定を取り戻すために与党・急進左派連合と最大野党・新民主主義党の挙国一致内閣の結成が取り沙汰されるが、両党は考え方の隔たりが大きく、実現のハードルは高い。
首相は政権側が敗北すれば退陣する考えを示唆しており、辞職なら8月にも総選挙が行われる可能性がある。
いずれのケースでも安定政権をつくるには時間を要するため、国民生活の混乱は長引きそうだ。
まあ借金体質になっとるのは、人にせよ国にせよ治すの大変なんよね。
心配なのは世界経済に及ぼす影響なんよ。