欧州連合EUは、昨日ユーロ圏財務相会合を開いた。
ギリシャが金融支援の前提として提出した財政再建策について協議。
EU側は実務レベルの精査で再建策を「肯定的」に評価し、財務相会合ではこれを踏まえて支援交渉の開始の是非を議論。
最終期限の今日行われるユーロ圏とEUの首脳会議が判断を下す。
再建策が肯定的に評価されたことは前進だが、ドイツなどは厳しい姿勢を崩しておらず、協議の行方は予断を許さない。
ギリシャ国会は財務相会合に先立つ昨日の未明、再建策を賛成多数で承認した。
採決では賛成が251票で反対が32票。
野党の多くが賛成に回った一方、緊縮反対を主張してきたチプラス首相の与党、急進左派連合からは閣僚を含む17人が造反し、政権運営に影を落とす結果となった。
チプラス氏は採決に先立つ議会演説で、再建策について「われわれの約束とは大きく異なる多くの提案を伴うが、経済回復のために正しい」と述べた。
EU側に譲歩したことに理解を求めた形で、ギリシャが9日に提出した再建策は、EU側のものより「ましだ」との見方を示した。
ギリシャの再建策は、付加価値税についてレストランへの税率を13%から23%に引き上げ、離島への軽減措置を廃止。法人税率も26%から28%に引き上げ、低額年金受給者に対する特別手当給付は2019年までに廃止することなどを盛り込んだ。
国民投票で拒否されたEU側の再建策に歩み寄った内容だ。
ただ、離島への軽減措置では全廃を求めるEU側に対し、貧しい島への適用を例外的に維持。
国防費では、要求された削減額が4億ユーロなのに対し、3億ユーロの削減にとどめている。
ギリシャ政府は必要な支援額を535億ユーロ(約7兆2千億円)と見込んでおり、国内総生産比180%近くの債務負担の軽減も要求。
一方、EU側は評価で必要支援額を740億ユーロと試算した。
今日の会合、決裂したらまた株式市場は下落するのう。