ギリシャ政府は9日、欧州連合(EU)から新たな金融支援を受けるため、財政改革の具体案を提出する。
資金繰りに窮している同国は、EUが最終期限に設定した12日のEU首脳会議で支援合意を目指す。
しかし、5日の国民投票では緊縮反対の明確な民意が示されたばかり。
なお緊縮策にこだわるEUが受け入れ可能な案になるかは不透明。
ギリシャのメディアは、改革案は一部品目の付加価値税率の引き上げなどにより、2年間で100億~120億ユーロ(1兆3400億~1兆6000億円)規模で財政収支を改善する内容だと報じた。
ギリシャのチプラス首相は8日の欧州議会で、「ギリシャは成長なくして危機から脱却できない」と演説したが、9日の提出を約束した改革案の中身にほとんど言及しなかった。
あくまで「反緊縮」を優先させるか、危機克服へEUとの合意を重視するか、首相の判断に注目が集まっている。
一方、ユンケル欧州委員長は7日の記者会見で、「ギリシャのユーロ圏離脱のシナリオへの対策は詳細に準備している。EUの要求を受け入れなければ、ユーロ圏離脱を防ぐことはできない」と発言。
ギリシャの民意にかかわらず、EUには譲れない一線があるとの姿勢を強調するとともに、12日の合意を実現するために受け入れ可能な改革案を提示するよう、ギリシャに最後通告を突き付けた。
チプラス首相は欧州議会での演説後、ギリシャのパブロプロス大統領や野党指導者らと相次ぎ会談、改革案への支持を訴えたとみられる。
与党・急進左派連合内ではEUの主張に沿った具体策を改革案に盛り込むことに反対する動きも台頭しており、EUとの合意に向けた首相の決意が試されることになる。
いつまでゴタゴタ続くんじゃろね?