大学を卒業して、かれこれ33年になる。
その間に、薬学部の状況や社会環境は大きく変化したんよね。
知り合いと、その薬学部の変化について話すことが増えたことで、改めて今18歳に戻って今の環境でやり直すことを考えるようになった。
正直言うて四年制でも大変じゃったけえ、六年制になった今はイヤ過ぎる。
そんでもやることになったら、あの時のあのメンバーでまたシミュレーションしてみよか。
大きく変わったのは、通う期間が2年延長になったのと、金沢からの鉄道がJRから第三セクターに移管したことなんよ。
ズタズタの状況で、大学近くの陸の孤島に追いやられるとこからスタートするのは同じなんよ。
家庭虐待で追い詰められて、気功の小周天に活路を求めとったのも同じとする。
修行しとることを同級生のYが聞きつけ、ものすごいイヤガラセが起きて、そのY自体の横暴から本人の自滅もその通り。
そのイヤガラセの余波で、寮の悪い先輩のAとKに連行されて地獄バイトにタタキ落とされるのも一緒。
さてどうする?
まあね、余分に2年あることでその分精神的プレッシャーはかなり強まるんよね。
概ね4年生までは、似たような感じで推移するかのう。
しかし、最後の頃は体力的に息切れしてきてもおり、それが5年目以降どう反映するかなんよね。
街中まで自転車で往復5キロ、しかし今は長い心臓破りの坂を登らずとも違う道ができて違う街中へ行くことができる。
そうした意味では、その息切れ状態もそんなに心配せんでも大丈夫か?
ただし、カリキュラムは難しくなりよるけえ、同じように地獄バイトをやりながらの進級は、ある意味ギリギリになるかもしれん。
限られた時間でテストだけで通したんで、善戦したとはいえ優良可評価ではオール優にはならず、平均でオール良になった。
しかし今のカリキュラムでの場合には、そこまで取れる可能性がないじゃろう。
オール可に毛が生えたぐらいか、下手したら留年もあり得るかもしれん。
私を地獄バイトに連行した先輩は3つ上じゃったけえ、六年制なら最低3年は一緒におることになる。
うわ〜イヤじゃ、そんなの。
特にKの方は、私を留年させる意味合いでの地獄バイト連行じゃったはずが、本人が留年してしもうて結局2年生の時までおった。
あいつとは、4年一緒におることになるんか。
あの学年とかそれより上の学年にはタチの悪い先輩が多かったけえ、それらの被害も加わるか。
それもイヤじゃのう。
あんな無理ができたのも、四年制じゃったことが助けになっとった部分があるんかもね。
ただ4年生の時には、教えてくれる先輩がおらんようなったんで、勉強がしんどくなった。
今なら4年生の終わりにCBTいうテストがあり、これがうちらの時の卒業試験なんよね。
5年生以降は職場実習になるんで、基本的には大学でやることはない。
CBTを先輩に教わりながらできる部分は、メリットかもしれんね。
私らの頃でもカリキュラムの改変があり、留年した人が本来ならヒマになるとこ新たな単位が発生して大変になったんよね。
とにかくキツキツじゃった。
そういう意味では、今のカリキュラムも難しいんじゃろうけど、CBTまで先輩がおってくれることは、ある意味心強い。
職場実習がどうなるかが未知数なものの、年数と労力それから本来なら短期で消える悪い先輩の影響がどこまでどうかよね。
短期の地獄ならまだしも、長期の地獄はそのダメージがボディブローのように効いてくることがある。
何とも言えんのじゃけど、ギリギリ卒業できるかあるいは一回留年するかもしれん。
あの僻地にある大学の立地は、長期になるほど不利になる。
地元への帰省も、JRでなくなったことで大幅に見直す必要がある。
バイトしてそのまま眠らず寮に帰って、さらに朝イチの電車に乗って青春18きっぷで帰るとかいうことももうできんのよ。
あの当時あった無料駐輪場も今はなく、第三セクターになったことで県をまたぐことで何回も初乗りがかかる。
朝イチのバスで駅に行き、JRが連続するとこまで新幹線に乗り、そこから青春18使う感じか。
う〜む、デメリットばっかじゃのう。
そこまで苦労して、どこかでコケれば水の泡じゃ。
うわ〜イヤじゃ〜、イヤ過ぎる〜っ!
今、志願者が減りまくり倒しとる薬学部。
なんか、わかる気がするんよね。
さて、どこをどうしてどうなるか?
試算すると、おそらく倍ぐらいの労力とダメージになるんじゃなかろうか。
もてんのじゃ。
果たして学年時代の私は、タイムスリップして今の世の中に来たら同じ大学に行くのか?
むむむ、なんかちょっと難し過ぎるんよね。