人は、レベルアップするほど孤独になるんよね。
能力の有無で、そのことに関して話ができなくなるんよね。
例えば、薬剤師同士なら話ができることも、そうでない人とはその話ができんのよ。
レベルアップするとそこにねじれが生じて、回線が途絶える感じになるんよね。
薬剤師でねじれ、そのねじれた者同士は同じ方向性じゃけえ会話になるんよね。
私は薬剤師でねじれ、さらに農業でねじれ、さらに語学でねじれ、気功の類いでねじれとる。
一般の知り合いとかは、こんちはさよならの回線とか以外ないんで、長いことおっても話にならないんよね。
結局、上がれば上がるほど同じレベルで語れる人がおらんようなる。
そうならんためには、弟子いうか教える対象を養成することなんよ。
結局、同じレベルで語れない以上、教えたり教えられたりすることで回線を作るしかないんよね。
カイアポいもを、私よりも丁寧に作れるプロが例えば前やんなんよね。
例えばそのプロの前やん、私と同等の話ができるかいうたら、それはできんのよ。
こういうことがあるんで、私の弟子筋の人がこれができるとか言うても、お前はええけえ六崎を出せいう人がそれなりにおるんよね。
私から技を継承した人がおっても、そんなやつらどうでもええいう人なんよね。
とにかく、六崎本人と話がしたいと。
まあ確かに私の技を使えても、それは一部に過ぎんし、本人の開発したものでもなければ、そうなるんよね。
ある程度到達可能でニーズのある能力があると、それに呼応して人が習いに来るんよね。
それで、私は孤独ではないんよ。
しかし、同じレベルでの話全部を要求すると孤独になるんよね。
私にとって言えるのは、並の薬剤師と話をしても話にならん面がかなりあるんよね。
並の薬剤師同士なら話も合うじゃろうし、並の医師同士もそうなんよ。
そもそもが私は農学部志望じゃったけえ、一生薬剤師で頑張るとか思う人とは考え方自体が違うし、そこからして話が合わないんよね。
現在の科学の粗さを感じ、その限界を感じていて自然なものを求める思考に、薬剤師としての世界が合うわけもないんよ。
最初の時点からそれでは、あとはもうその距離感は開いていくばかりなんよ。
集団の中で私は宇宙人なんじゃけど、薬剤師の中でも宇宙人なんよ。