肥料を買わずにできる灰を起点にする無機農法、それを農家に知らせて経費節減につなげたいと思い、YouTubeとかでも情報発信。
そうしたことを農イノベーション兵庫とかで、演台に上がってしゃべりたいとか思います。
しかし、現実はそうそう動かない。
これまでに試したことは、私の経験上ではその通りでも、農業試験場でテストされて数値になって出とるもんでもない。
とすると、県庁とかではまず取り上げてもらえない。
規格された野菜、規格された方法、それで出たデータがないと、まず公的機関は動かない。
キャベツでどうか、ニンジンでどうか、肥料が何%減らせるのか、なんかそういうキッチリしたもんが必要なんよね。
たしかにそれを言われると、こちらとしては弱い。
網干メロンを植えたとこに灰を撒いたら、ソッコーで枯れた。
しかし、えんどう豆を灰で育てた跡地に植えたら、すごくよく育った。
それらは、全部目分量で計測されたもんではない。
肥料をやらずに、灰と窒素固定で土地が肥えたとする。
それでキャベツなり、ニンジンなりが育ったとする。
しかし、従来の方法と同じ出来になるのか、それがないといくらできたとしても大きさが小さかったりしては規格品にはならんし、売り物にはならんのよ。
単に食べられりゃええとか、そういう問題じゃないんよ。
そういう意味では厳しいし、ハードルが高いんよね。
いかに画期的な方法であろうと、数値と規格に裏打ちされとらんもんは、商品としては見なされんのよ。
1つの大きさが小さいものならそれほどでもないんじゃけど、そこそこの大きさのものは、それ相応の大きさがないと価値がないんよね。
人間が作り出した栽培品種やその規格品、それは自然界では存在せずに人間の手で独自の方法でないと育たんようになったもんもある。
例えば知り合いのイチゴも、硝酸カリウムを大量に消費するような栽培方法になっており、そのクオリティを自然な材料だけでできるか言うたら無理なんよ。
そういうの考えると、ちょっと複雑な気持ちなんよね。
農イノベーション兵庫で灰を起点にする無機農法がたとえ取り上げてもらえたとしても、規格品か作れないとすると農家を助けることにはならんのよ。
私の呼びかけやその情報を伝達できたとしても、結果的に農家を救い得るかは厳しいんよね。
これでは、日本の農業の衰退を止めることはできん。
それも天意なら、もうそれはどうもならんのよね。
技術だけ継承して、備えておくしかなさそうじゃ。
カイアポや女貞子などの独自のものも、用意できるのとできんのとでは、それなりに違う。
できることしかできんけえ、ダメなもんは諦めよう。