最近のアニメではヒロインインフレが甚だしく、これでは人格を観察して成長するいう意味では、あまり好ましくないと言える。
私は幼少期に実家の虐待で苦しみ、その解決方法を探るために、少女アニメの登場人物の心の動きを追うた。
主人公は基本的にはええ人で、必ずそれを困らす悪人が出てきよる。
それをブッ殺すわけにもいかず、さりとて問題は解決せにゃいけん。
そこで、問題解決に向けて主人公やその取り巻きが知恵を絞ることになる。
悪役には、よっぽどの事情でもない限り性格上の共通点があり、それが魂の民族で言うと、ゾロアスター系かゼウパイになる。
それは見とった当時は当然知ることはなかったんじゃけど、漠然とした善悪と、悪に固定化した性格はあるなとは思うた。
また、好きで好きでどうしようもなかったヒロインを見てみると、それは魂の民族で言うとオルゴン系が多いのもわかった。
ルックスや声のかわいらしさの要素なんかより、オルゴン系の持つ芯の強さ、信念、健気さが、虐待に喘ぐ私の一瞬の清涼剤にもなった。
昔のヒロインは番組シリーズを通して少数であり、あの娘と指差せば、誰でも性格はわかった。
しかし、最近のは例えばプリキュアがあるんじゃけど、最初2人じゃったのが、シリーズを重ねるとゾロゾロ増えて、時々歴代のプリキュアが勢ぞろいしよるけえ、ヒロインインフレになっとる。
また、毎回ヒロインがきれいサッパリ入れ替わりよるけえ、性格を掴む前におらんようになってしまいよる。
時々スイートプリキュアのトリオザマイナーみたいな面白いのが出てきたりしよるんじゃけど、それもシリーズの入れ替わりでどこかに消えてまう。
プリキュア5のプリキュアメタモルフォーゼや、今のプリキュアのキラキラルみたいに、波動で使えるものも時々あるものの、だいぶマンネリ化したことは否めない。
セーラームーンもヒロインは多かったんじゃけど、あの頃はまだ同じキャラがくり返し出とった関係で、キャラの個性が掴みやすかった。
そういうことで、私個人が好きなヒロイントップ3は、一位が魔女っ子チックルのチーコちゃん、二位は魔法のマコちゃんのマコちゃん、三位はセーラームーンのセーラーマーキュリーの水野亜美ちゃんじゃのう。
ベスト4にすると、セーラームーンのちびうさになるんじゃけど、これは未知数の部分がある。
チーコちゃんとマコちゃんはオルゴン系であり、信念と健気さは申し分ない。
主張の筋は通っており、真っ当です。
この2人が甲乙つけ難く、ガキの頃は好きで好きでたまらんかった。
しかし、信念でも心の動きに主眼を置くチーコちゃんの方が、恋愛に主眼を置くマコちゃんよりは上じゃと見る。
ただこの2人、番組が終わってその後を考えると、おそらく不遇な人生になったことじゃろう。
苦難に立ち向かい頑張る健気さも、果たしてどこまでどうなんかいうことがある。
実際マコちゃんなんかは第2話で、すでに殺されかけ、親父が来んかったら死んどった。
パワーも強くないけえ、どこかで障りをかぶり、病気になるか自殺するかもしれんねぇ。
ある意味、破滅型のオルゴン系と言えるじゃろう。
ただ、マコちゃんに関しては、親父がいっつも助けよるけえ、親父がおるうちはなんとかなるかも。
初恋を貫徹させてまうマコちゃんじゃが、相手は放浪グセがあって船乗りになり、どこぞで愛人こさえてマコちゃんはいずれ振り回されることになるじゃろう。
バツイチになって親父の助けのもと、寂しく子育てして終わりかな。
そこいくと、セーラーマーキュリーの亜美ちゃんは高級ゾロじゃけえ、観察眼も鋭く手堅い相手を選びよるじゃろうけえ、セーラー戦士引退後も良妻賢母として幸せになるじゃろう。
昔のアニメには、こうした優れた面があったのう。
同級生は魔女っ子メグちゃんやキャンディキャンディ、花の子ルンルンなんかが好きな人が多かったんじゃけど、やはりね、性格と心の動きですよ。
うう、歳がバレてまう。
ヒロインインフレ、確かに見た目の華やかさも必要とは思う。
しかし、子供の心にそうしたものだけでなく、きちんとした情緒を養うべく、製作者も考えるべきなんよ。
うわべだけしか見れん人をたくさん作りそうな感じがして、コワイ。
昔のアニメヒロインは、その時代にしかない事情の中、気高く凛として子供の道しるべになった気がする。
ともあれ、ほっとくと破滅型になってまうチーコちゃんとマコちゃんは、目の前に来たら悪や障りに関していろいろ教えてあげたい。
私が苦しかった時、助けてくれてありがとう。
その健気さに、どれだけ励まされたことか。
母の実家でそういうのを見れた幸運を感じずにはいられない。