謀略の世界に憧れて、そこに踏み出した前やん。
亡くなる前のぽんたが、かなりのとこまで会得したのを見ながら、そうなりたいとああでもないこうでもない。
まあまあ落ち着け、そんなん急にどうこういう問題じゃないとか言うても治まらない。
亡くなる前のぽんたとやりとりする中でも、いやそれは違ういう指摘を受けながら、その時はなんでそうなのかがわからんかった。
ぽんたが亡くなり仲間内の動揺が鎮まった頃、遅まきながら前やんをはじめとする仲間内の謀略育成に取りかかった。
こういうのは、もともと人間関係で悩みまくり倒しとったオルゴンMとかの方が分がええ。
そういうことも含めた上で、改めて一般素人をそこそこの謀略家に養成する道を私も模索してみることに。
私の到達したことに関して言えば、私の立場環境で失敗せずにやればって言うことができるんじゃけど、追体験できない。
よしんば追体験できたとして、九分九厘失敗するじゃろう。
そうすると、その内容を話すしかないんじゃけど、それもわかりにくい。
そうすると、既存のストーリーを追うことで近い効果を得られるもんをより集め、その見る見方をレクチャーしながら観てもらうことになるんよ。
オルゴンMが自戒しとるように、漫然と観ちゃいけんのよ。
それで、前やんにはボルテスVを観てもろうた。
そしたら、彼なりの大きな感動があった。
うん、そうじゃ、その通りじゃ、感動したもんをより噛み砕いて咀嚼消化せえ。
なぜ感動したのか、その背景をよく考えることが大事なんよ。
このボルテスは、亡くなる前のぽんたに関してはあえて使わんかった。
その理由は、リアルタイム世代じゃけえなんよ。
そう、残念ながらリアルタイム世代のぽんたには、ボルテス効果は期待できない。
リアルタイム世代の人たちにとって、ボルテスの評価は著しく低い。
その理由は、メカニックデザインが前作コンバドラーVを踏襲しとって、それが劣化した感じがするんよね。
コンバドラーの斬新さと、それをそのまま踏襲劣化した感じのと、どちらがどうかは一目瞭然。
コンバドラーの超合金を欲しがる同級生は多かったものの、ボルテスの超合金は誰も見向きもせんかった。
そういうイメージがつきまとわず、先入観なしで観れる同年代の人がやはりボルテス効果を期待しやすいと言える。
そうなると、前やん以外では福山のKさんあたりが条件的にはええのかな。
リアルタイム世代ではあっても、Kさんは観てないはずなんよ。
ともあれ、このボルテスのストーリー展開の複雑さと、そこに登場するキャラクターの事情や動き考え方を追うことで、人の動きや考えにはそれぞれ理由があるいうことがわかるはずなんよ。
そんで、その理由づけに大きなパーセンテージを占める魂の民族のこととかがわかれば、それを見越して次を考えられるんよ。
六崎家の闇はもっと複雑で難解なんじゃけど、それが謀略育成のための教材として使えるとして、その前座でもうちょっと難易度の低いもんで練習しとくとやりやすい。
そのためのボルテスじゃないかと思うんよ。
オルゴンMなんかは、近くに迷惑な面々がそれなりにおる関係で、謀略に関しての親和性は高い。
ただボルテスの世代じゃないけえ、それを活用できるかビミョーなとこではある。
前やんがそのストーリーに涙したボルテスV、それはフィリピンで国民的人気があるぐらい観る人を感動させる。
また、環境が厳しく虐げられとる人ほど共感でき、頑張ろういう気にさせる。
人間関係のしがらみが一様ではなく、やむにやまれん事情があったりする。
そういうことを考えさせられるいう意味で、メカニック以外の人間模様を追ってもらえたら幸いなんよ。