農業の作付け方針、生活のかかっとるたけした君と、食費削減と食糧自給を目指す私らとは意味合いや目的が違う。
たけした君の場合は必勝が義務付けられ、失敗は借金や生活破綻に直結する。
私らの場合、失敗しても生活には困らんのじゃけど、成功したらそれなりの食費削減になる。
労力や時間は必要になるんじゃけど、省力化して負担を減らすことで余力を生み、それを次につなげれば更なる進展がある。
突然の食糧不足にも困らない。
作付けにあたり、種や苗は部隊に例えると兵隊。
指揮官は自分。
進軍と撤退の時期を見誤ると、部隊は被害を食う。
下手をすると全滅する。
部隊の全滅は、いくさでは指揮官の責任で死刑になる。
全滅しないまでも、命令違反による大敗も死刑。
戦いはまず斥候を放って情報を集め、作戦を立てて進撃する。
過去の経験などをもとに作戦を立てる。
過去の経験がない場合には、それをまとめた兵法書が必要になる。
攻める時攻めて、守る時守らにゃ負ける。
農業も攻めや守りに似た状態がある。
戦いにはいろいろな理由があるんじゃけど、農業は至ってシンプル。
ズバリ収穫なんよ。
種蒔きが戦闘開始で撃って出る時。
あとは援軍として水やりなどがある。
守りの時いうより待ちの時期があり、タイミングを逃すとオジャンになる。
戦いはいかに少ない犠牲で最大の利益を得るかなんよ。
農業も、いかに少ない労力でたくさん収穫するかなんよ。
仲間内で毎回作付けしたもんを全滅させる人おるんじゃけど、あれで生活かかっとったら命がいくつあっても足らんぞ。
今シーズンもメインの緑豆が全滅。
さらに、蒔き時の終わった緑豆をさらに蒔いてムダにした。
福知山のMさんには勉強会の時に、今蒔けばギリギリ実る、データ取りのために蒔いたらって言うた。
Mさんならそういうアドバイスは生きるじゃろう。
しかし、毎回全滅させとる人は何を遊んどるんかって思う。
ともあれ、農業を戦いに見立てて、攻め込む算段すると戦略面の訓練になる。
農業面で、Mさんは今は兵卒でもいずれ武将になる。
簡単な作物すら作れん者は、何やってもダメじゃろう。
農業で仕事の完成度がわかるかも。