今シーズン初めてセイタカアワダチソウの灰を使う作付けを行なった九州のたけした君、その効果を実感した。
先日彼にアドバイスしたことがある。
それは、収穫の終わったイチゴの植物体の焼却灰をイチゴにあげるのをやめること。
彼は、毎年収穫後のイチゴの植物体を燃やして、それをイチゴに還元すべく投入。
しかし、それでも昨年は発育不良が起き、急遽市販の灰で回復させた経緯がある。
いつもならびっしり生えとるはずの根っこがなく、肥培管理のコントロールでも回復せんかった。
私は、大至急セイタカアワダチソウを焼きまくり、その灰を投入せえって言うた。
そんな暇がないとか言うとったし、灰ならイチゴのをあげとるとも言うとった。
おかしいのう、灰をやっててなんでかなって思いよったんじゃけど、他に思いあたることがないけえ、市販の灰で代用させた。
見事に回復。
そんで、セイタカアワダチソウを焼け焼けって言うとるのに、いつまでも重い腰を上げんのに対し、昨年私が焼いたセイタカアワダチソウの灰を待ってった。
今シーズンはそれを使い、作付けしてみた。
すると、毎年味の低下で出荷停止をするはずが、ほとんど出荷停止せずに乗り切った。
肥培管理のコントロールにもかなり余裕が出たらしい。
じゃけえ、最初からセイタカアワダチソウ焼けって言うとったんじゃ。
この威力を重く見たたけした君は、今シーズン終わったらセイタカアワダチソウ焼くそうです。
さらに、これまでのこと考えて、イチゴ灰の投入禁止を言うた。
理由は、イチゴ灰のイチゴは、イチゴの植物体であって、イチゴの実は含んどらん。
そんなの与えても、実の栄養にはならんのよ。
毎年やり続けた結果、灰の傾斜がかなり急になり、ますますイチゴの実にはよくないミネラル傾斜になってしもた。
逆にそのイチゴ灰は、彼のやっとる稲作に使うべきじゃとも言うた。
イチゴには有害なミネラル傾斜でも、関係ない稲には問題ない。
逆に有用なはず。
イチゴには改めて、新規で新鮮なもんをぶつけたればええんよ。
セイタカアワダチソウには、ほぼほぼええミネラルがある。
秋に実るセイタカアワダチソウを見ると、花と茎と葉っぱと根っこ全部ある。
花のミネラルがイチゴの実を作り、それ以外がイチゴの植物体を作る。
今の時期のセイタカアワダチソウには花はないんじゃけど、花にすべきミネラルを全草に蓄えとる。
それを燃やした時に、イチゴ全草に必要なミネラルがとれるんよ。
セイタカアワダチソウは、普通の農作物に比べてはるかに強い力でミネラルを吸収する。
荒地のミネラルを豊富に集めてくれる。
それをありがたく使わせてもらうんじゃ。
このセイタカアワダチソウの灰投入のイチゴ栽培、しばらくはそれでええじゃろう。
しかし、やがてセイタカアワダチソウとイチゴのビミョーなミネラルバランスの違いから、地面で栽培しとるやつは灰の傾斜がイチゴにとってきつくなるはず。
それを是正するために、過剰ミネラルが逃す必要がある。
何年かやったら、夏の豆を植えりゃええわのう。
こうして灰のミネラル傾斜のバランスをとりながら、セイタカアワダチソウいう自然の恵みを活かしてやってけば、安定した収穫ができよう。
灰は灰でも、同じじゃないんよ。
イチゴのことは稲作にもいえるのう。
田んぼにイチゴ灰投入して何年かやったら、ミネラル傾斜を是正するために冬の豆をやったらええわのう。
ま、そういうことです。