今時の家にバイオマスを組み込み、冬越し用の温室を備えた独特の作り。
出来上がった家を見た人は、おそらく温室と煙突二本の方に目が向くじゃろう。
そんで言うじゃろう、これでビジネス?
一般の人にはわからない。
農業で成功するのは、新規参入者で5パーセント。
それは既存の農業の話。
しかし、全く新しい方法なら話は変わる。
サツマイモで鳴門金時なら鳴門金時をやるとすると、それば大量に生産せざるを得んし、豊作の年には価格が暴落して豊作貧乏になる危険性もある。
しかし、独自栽培法を編み出し、希少価値なもんを独占的に安定した量を販売するとなると、リスクは相当減らせる。
そのカギを握るのが、特定の植物の灰。
バイオマスの導入で、日常生活が灰を生産するもんなら、効率的に肥料を得られる。
また、カイアポの売れるもんはイモだけじゃない。
春には苗が売れる。
また、葉っぱも野菜として食えるし、葉っぱを乾燥させるとカイアポ茶になる。
他のサツマイモ、例えば鳴門金時も、春の苗は売れても夏以降はイモしか売れん。
カイアポの値打ちのわかる人は、是非カイアポを作りたいと春に苗を買う。
しかし、その苗から実るイモは少ない。
それでも欲しい人は欲しい。
売られた苗がどう育つかは、こちらの問題ではない。
夏は葉っぱを収穫する。
そんで秋には、イモを欲しがる人にイモを売ると。
冬は温室に避難させ、生かさず殺さず。
そのための家なんよ。
家の完成は年末ぐらい。
今年は例年通りに作付けして、いつもは大部分を冬枯れさせるカイアポの茎を温室で初の大量越冬させる。
来年春にそこから苗をとり、ネットで試験販売。
さらに夏には葉っぱを試験販売。
秋にイモをこれまた試験販売して、その収支を見て会社法人立ち上げて再来年本格販売を目指す。
それに伴い、今の会社勤めを縮小し、私自身の本来のやるべきこと、創作活動の幅を広げる。
本を書いたり、作曲したり、まとまった時間での外国語学習をするんよ。
一般的に、農業やるならこうとかいう概念を打ち壊し、無理のない拡大をやっていく。
同時に、東日本からの知り合いの避難も進める。
多少ボロくても庭付きの一軒家を競売で落札して住まわせ、仲間内での商売でまとまった資金が入った時点で建て替えさせる。
問題はその関東残留組なんよ。
家族や病気の問題があるんで、それらのタイミングを見ての話になる。
生活で生じる灰や、カイアポの収益がどうかいうのを来年試験し、再来年の本格販売の時にみんながどうなっとるかが問題よね。
会社勤めせんでも充分な収益が見込めれば、ほぼ自由と言える。
立派なビルなんか要らん。
効率的に好きな仕事で生きていけたら幸せ。
そこに仲間内を巻き込むんじゃ。
まずは私らよね。